コーヒーカップに夏の雨。

夏の雨と珈琲と。

濡れる緑と、涼風と。

静かな店内には、自然の音と風鈴の音。

歴史を刻んだ木のぬくもり。

淹れたての珈琲の香り。

雨と日差しが交互に、境目のない部屋の淵に降り注ぐ。

夏の午後。

雨の午後。

前から行ってみたかった、里の陶仙房さんに行ってきました。

緑の中に埋もれるような、庭に面したテーブル席。

各々が年季を刻んだ家具の並ぶ、離れの席から眺める母屋。

余りにも穏やかな空気は、まるで水の底のように揺蕩っている。

母屋にはたくさんの陶器やなんかが並んでいて、一点一点手に取るとぬくもりが優しい。

買うには勇気のいるお値段だったけれど、見たことのない淡い青の器とか。

お値段相応に素敵な品揃いで、血迷ってしまいそう。

何時間も過ごせてしまいそうな、そんな場所でした。

きっとまた、ふらりと訪れてしまいそう。

もう少し近ければ、常連さんになっていそう。

分かりにくい場所にあるけど、それもこのお店を造る一つの要素なのだと思う。

隠れ家的な喫茶店。

最近、そんなところばかり足を向けてしまう。

たぶん、きっと夏だから。

店内で流れていた音楽が素敵だったので、お店の方に教えていただきました。

喫茶店の魅力って、そんな所にもあったりする。

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