旅が好き。
日常から、足を踏み出す感覚が好き。
遠くへ連れていってくれる、電車が好き。
電車を待つ、駅のホームが好き。
田舎は車移動が主だから、電車にほとんど乗ったことのない子供時代だった。
片道1時間半かかる学校へ進学して、電車に乗るようになって。
毎日が、小旅行だった。
いつか、いつかと思いながら、やっと腰を下ろした冬の旅。
ワンマン電車は飯田線でも乗ったことがありますが、先頭の設備はまるでバスのよう。
古びた整理券の機械、心が踊ります。
出発すると、見送ってくれる遠い青い富士山。
ここから長く、線路は森の淵を走っていきます。
空気の澄んだ冬の旅は、景色が冴え冴えとしているのが魅力です。
木立の隙間から見える青空は、他の季節には無い景色。
やがてそれも見えなくなり、徐々に景色が暖かくなって行く。
一つの車窓で映画を見るように、風景の流れて行くのを座って眺めていられるのがいい。
車掌さんが一人で運行を切り盛りしているので、駅に止まる時間が少し長いのもいい。
その温度差に、過ぎてきた距離があります。
頂きに雪と、雲と見まごう噴煙を纏った女神の山。
冴えた青空に、その姿が映えます。
私は八ヶ岳の麓で生まれ育ったから、八ヶ岳に愛着が強いけれど。
こちらで育った人は、やっぱり浅間山を誇らしく語る。

にほんブログ村