刻一刻と進む時計と、雨と雪とを行き来する季節。
溶け残った根雪が森の淵にうずくまり、次の冬を待っている。
しんと足元から沸き立つ冷気が、夜の始まりを囁くように告げていた。
宙が冷えれば冷えるほど、星は冴えて空が澄む。
オリオン、うさぎ座、北極星。
瞬きの狭間に目を凝らして、すばるの姉妹を数えてみる。
月の始まりは、ふと思い出す。
もう一度、会いたかったなぁ、だとか。
遺してくれたものを、転がしながら。
冬の始まり。
白い息は、天へ。
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