映画は、映画館で見るのが至上だと思っている。
集中して、全身で、映像と音響を浴びたいと思う。

集まってわいわい観るDVDも楽しいけれど、作品と向かい合うなら、映画館に越したことはない。


シン・ゴジラを観て来ました。

初日からの評価の高さに、居住まいを正して。
頑なにネタバレを防ぐ皆さんに倣って、私もネタバレはしませんが。

表立って言われている通り、会議シーンが軽く半分くらい時間を割いているのでは無いでしょうか。

作品の印象としては、とにかく「地道」。
ハリウッドの派手さや、エンタメの華やかさより、リアリティがあると言うか。

ゴジラと言う、非現実の権化に対し圧倒的リアルが立ち向かって行く。
作戦に関わるワンシーンのみの登場人物にすら、名前と役職が表示される。

「人」ではなく「人々」の物語なのだと、それは訴えかけているようだった。


ハリウッド版のゴジラでスタイリッシュに描かれた米軍に比べ、泥臭ささえ感じさせる自衛隊の面々。
けれど未曾有の大災厄に立ち向かう姿は、地道であるがこそ格好良かった。

クライマックスはめくるめく「そうきたか!」のピタゴラスイッチのようで、最早出尽くしたと思われていた対怪獣戦にこんな方策があったなんて!と爽快感を覚えるほど。

これは是非、劇場で観てもらいたい。


会議シーンの多さ、台詞を詰め込むために登場人物全員が早口、字幕の多さから、これは完全に大人向きかな、と思います。

時間めいいっぱい詰め込まれているので、集中しないと見逃す、聞き逃す。
矢継ぎ早に情報が錯綜するので、理解する間に次の情報が流れてしまう。

テンポは良く、全員が死力を尽くすプロジェクトXばりの内容は、私的には癖になる気持ち良さでした。


また、作中で敢えて「みせるだけ」のものもあり、考察をしてみせろと言わんばかりの挑戦状。
出来れば落ち着いて、もう一度、二度と観たい作品でした。


初代ゴジラは、原爆の象徴でした。
シン・ゴジラは、原発の象徴のよう。

数ある怪獣映画の中で、倒してハッピーエンド!で終わる話はあっても、その後のことまで言及する作品は少ないんじゃないだろうか。

被災、復興。
それをセットで語る、正に『今』の作品だと思います。


と、こう書くと地味でお堅い映画のようですが。
クライマックスは元より、沸き立つシーンもいくつもあるので興奮します。

現に私は興奮覚めやまず、また観たいと思っているので。


ハリウッド版のゴジラも良かったけど、やっぱりあの独特の鳴き声と、ゴジラのテーマ曲が流れるとジーンとしてしまいます。

おかえりと言うには新しく、それでいてそんな素地が練りこまれているのが憎い演出。

そしてエンドロールに色んな役職で、繰り返し登場する庵野監督。
楽しんで作ったんだろうな、と。
伝わってくる気がして、気持ちが良かったです。

シン・ゴジラ、上映中にもう一度観に行きたい。
見終わったあと、言葉をなくして友達と二人歩いた夏の夜。

この夏の、今年の夏の思い出として、ずっとずっと残りそうです。


良い映画を、観ました。

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