桜の便りは各地から、届いては過ぎ去りまた届き。

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山の間際まで押し寄せた、桜前線の鬨の声。それは余りに、高らかで。
春の誘いに、手を引かれ。
山を越え向かったのは、かの歴史の跡形。
高遠城址、桜の公園。
高遠コヒガンザクラの咲き誇る、名高き信濃の桜の名所です。
高遠城址公園一杯に植えられて、さながら薄紅に染まる夜明けのよう。
それは、空に。
陽の光を透かして見れば、幾重の花弁に幾重の季節を。
そして月日を、年月を。
変わらず佇む、桜だから。
そこに一体どれだけの、眼差しを受け止め咲いてきたのか。
散る花弁の一枚一枚に、もしかしたならそれらを乗せて。
私達が桜の散るのを惜しむように、桜は人の往くのを見るのかもしれない。
人より長い歩みの中で、それは一時夢を見る。
やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。
そんな春の階段を、降りたら白昼夢もお終い。
シナモンの香り高い、カフェ・オ・レを。
帰宅した八ヶ岳。
こちらの蕾も、もうそろそろ目覚めそう。
季節の先駆け、始まりは。
もうそこまで、やってきているみたいです。

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