今ではだいぶ丸くなりましたが、実は昔はファッション的に尖っていました。
今でもコンサバやカジュアルなどの『一般的』からは好みのベクトルはずれたままなんですが、年齢とともに周囲に擬態する事を覚えたので浮かなくはなったと(たぶん)思うのですが。
それでも好きなものは好きなので、時と場所を選んで好きな服を着ることはあります。
本当はTPOさえ弁えれば、もっと自由に好きな服を着れば良いんですけどね。
同じ『時と場所を選ぶ』でも、昔は『着てはいけない場所』を選び、今は『着てもいい場所』を選んでいます。
と、言うのも、やっぱり年々失うものが増えた…と言うか、世間と戦うより迎合したほうが楽、になってしまったと言う事でしょうか。
と、言うのをいちいさんのこちらの記事を読んで思い出しました。
/favorite--life/entry-12140172401.html
分かります…分かります!
分かると言ってもいちいさんとは、風当たりの強くなる理由が違いますけど。
私も尖っていた頃、無闇に風当たりの強い人たちに遭遇することがありました。
個性的な服を着ている事が、気に障ったのでしょうか。
ひとつエピソードを披露すると、美容院にて。
当時、前髪パッツンのおかっぱヘアにしようとしていた私は、その旨を初めて行く美容室で美容師さんに伝えたのです。
前髪パッツンのおかっぱ。
これ、この言葉以上に説明いるでしょうか。
むしろ他に説明のしようがあるでしょうか。
すでにボブだったので、後は前髪と毛先を切り揃えるくらいしか施術は要らなかったはずなのですが。
美容師さん、「言ってる意味が分かりません 」の一点張り。
当時似たような髪型だった歌手の木村カエラさんやYUKIさんの名前を挙げても「知りません」。
10分近く押し問答?(暖簾に腕押しですが…)が続いた上で、「とにかく長さは肩上で、毛先と前髪を真っ直ぐ切ってもらえたらいいんですけど」と何度目かの説明をした私に美容師さん、ため息と共に一言。
「ああ、バナナマンの日村みたいにすればいいんですね」
吐き捨てるように言われて、思わず笑ってしまいました。
これで悪意が無いのだとしたら、逆に美容師さんの人格が心配になります。
他にもあからさまに無視をされる、二十代前半にもかかわらず「もうおばさんなんだから」を連呼されるなど、当時は「この人風当たり強いな~」と言う女性にたびたび遭遇する事がありました。
当時から目立つ服を着ているせいかな、と思っていましたが、実際服装がおとなしくなったら世の中が優しくなったので、あながち間違いでは無かったのでしょう。
ただ世の中は優しくなったかも知れないけれど、招かざる客が来るようになったのも事実。
尖っていた頃は実害は一部の心無い女性からの嫌味くらいでしたが、丸くなってからは一部の心無い男性からのセクハラや性犯罪間際の行為という実害が上がりだしたので良し悪しは分かりません。
尖っていた頃は良くも悪くも男性自体寄ってこなかったのですが、服が変わった途端手のひら返すような人たちは信用なりませんね。
『モテ服』と言うものが世の中にはありますが、コンサバ系や姫系などの男性受けするファッションをそう指すようです。
婚活でその手の服に身を包んだところ、真面目な出会いではなく所謂チャラ男のような不真面目な出会いにばかりモテてしまったと言う話も聞きますし。
実際、電車で痴漢に遭うのも露出の高い派手なギャルより、騒がなそうで大人しそうな地味な女の子だったりするようで。
さじ加減とは難しいものです。
結局社会に迎合した私は近頃めっきりUNIQLOユーザーなのですが、やっぱり『好きな服』を見るとときめきが隠せません。
安くてカジュアルな服もそれはそれで好きなんですけどね、実用的で。
それに本当に素敵な人は、何を着ていても素敵なものです。
ただ、それとは別に『やっぱり好きな服』が心にはあって。
例えばこんなロリィタファッション、憧れはしたけど着ないまま歳月が過ぎてしまった。
この漫画の老少女のように、自分が好きなら人目など気にせず好きでいられる強さが眩しいです。
(作中、自分の道を貫くこの女性はとても素敵なのです)
先日そんな思いが爆発して、友人にその心情を吐露しました。
「私もこんなお婆ちゃんになりたい!」と言う私に、友人は一言。
「なりなよ。私は一緒に歩いてやるよ」
友人が男前すぎて震えた。
(ただし友人は女性)
服装許容はもちろんですが、お婆ちゃんになっても一緒にいてくれるって意味ですよね。
気の利いたプロポーズか!
世の中いろんな人たちがいます。
いろんな人たちがいるから、風当たり強い人もいるけれど。
少なくとも手の届く範囲で、こんな友達に恵まれた私は幸せ者。
明日は何を着ようかな。