最近、本の読み方が変わった。

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子供の頃から本が好きで、母親が読み聞かせをしようとしても「自分で読むからいい」と断る子供だったらしい。

確かに物心ついた頃には自分で絵本を広げていた記憶しかないので、実際そうだったのだろう。

高校の時には、学校一の読書量を自他共に認められていた。
まあ読んでいたのは小説に大分偏っていたけれど。


そんな子供の頃から、本はとにかく『一気読み』が好きだった。

止むを得ず中断せざるを得ない場合を除き、本は必ず一気に読了する。
一冊で済むものは勿論だが、上下巻に分かれていても出来る限りまとめて読みたい。

そのため冊数が分かれて発売された時などは、わざわざ下巻の発売を待って読んだ。

とにかく、終わりまで読まないと気が済まない性格だった。


それが、ここ1ヶ月ほど。
読み方が変わった。

小説は勿論、漫画に至るまで。
一章ずつ、区切って読むようになった。

一章読むと、本を閉じる。
目を閉じて、反芻する。
続きは大概、翌日に持ち越す。

たった一章、その一章を毎日楽しみに読む。


そんな具合なので、一冊を読むスピードはすこぶる落ちた。
何せ1日一章なので、薄い本でも数日はかかる。

何故、急に変わったのかは分からない。

今までは先が楽しみで、一気に読まずにはいられなかった。
今は先が楽しみで、一章ずつ噛み締めて読んでいる。

どちらの読み方が良いのか、そんな事は分からないけれど。
少なくとも今の私は、そうやって読みたいようだから。

今日も読みかけの本を宝物のように開いて、一章だけ読む。


今まで本を読むときは、栞を使う事がほぼ無かった。
一気に読了してしまうので、必要が無かったのだ。

そのため必要になった時は、手近な紙を何でも適当に挟んでいた。

だけど近頃はこんな読書生活なので、一枚とびきりの栞を探すのも良いかもしれない。
大好きな本に挟む、とっておきの栞。

それはきっと、宝物になるに違いない予感がする。