昔から勉強が苦手で、成績と喧嘩の日々を過ごしておりました。
恥の多い人生です。
対する兄は勉強が得意で、学年トップなどと言う輝かしい成績など収めていたと耳にします。
勉学に秀でた兄は学校のみならずご近所でも有名で、親もさぞ誇らしかった事でしょう。
勿論私にとっても自慢の兄で、なにしろ生まれてこのかた喧嘩のひとつもした事が無いのです。
兄が成績優秀で名を馳せるずっと以前から、私にとっては誇りなのです。
私は勉強が苦手ですが、それも母のお腹の中で良い成分が兄に全て注力されたのだと思えば仕方がありません。
私は兄の出涸らしだと思えば、出来が悪いのも納得できます。
と言うか、そのくらい兄と私では出来に差があるのです。
同じ親から同じ家で生まれ育ったのに、こうも違って育つのだから人間て不思議。
出来の良い兄を持ち、比較されたりした事もあったようには思います。
けれど比較する人を疎ましくは思えど、兄を疎ましく思う事などほんの一度も、欠片も無く。
思えばそんな兄を持ち、妬んだり僻んだりしても良かったものを。
よくのうのうとこれまで生きてきたと思いますが、不思議なもので微塵もそんな気配すらなく。
ただただ兄を尊敬し、所謂ブラコンで生きてきました。
幸せの多い人生です。
勿論こんな恥ずかしいことを面と向かって兄にぶつけた事はありませんし、ここも兄が知らぬと思って好き勝手書いています。
多分兄には一生伝えないでしょう。
その必要も今の所、感じませんし。
けれど私は兄が好きで、兄が黒と言えば白いものも黒いほど。
好きな異性のタイプは兄だと子供の頃から友人らには漏らしていましたが、兄のような人がいないのが悩みです。
この歳で、未だ兄と二人で買い物に行ったりお茶を飲みに行ったりする。
そんな事が幸せです。
ブラコンは公言済みです。
普段離れて生活していますので、顔も合わせなければメールのひとつもしませんが。
帰省したら、とっておきのカフェへ連れて行こう。
兄の大好きな、クロテッドクリームのたっぷり乗ったスコーンを食べに。
色んなことがありますが。
良い兄弟に恵まれたこと、私は生まれながらに幸せだと思います。