昨日の雨は雪に変わり、3月の始まりは雪化粧。
粉雪を纏った樹形も露わな山の峰が、久しぶりの冬の色。
庭のツツジも、ほんのりおめかし。
3月を迎えて、こんなに根雪も残っていない春待ちはなんだか落ち着かない気もします。
毎年雪道の運転が億劫だと思っていたのですが、無ければ無いで物足りなく思う自分に気がつきました。
あの、精神を研ぎ澄ませて集中する運転、案外嫌いじゃなかったのかもしれません。
すぐに溶けてしまう春の雪。
少し湿った青空に、口に残るコーヒーのほろ苦さ。
3月は卒業の季節。
私も今日は、人生の節目の一歩を踏み出しました。
一年間、迷いに迷って悩み続けた結果を出しました。
もっと早く、決められなかったのかとか。
こっちの道で、本当に良かったのかとか。
結論はどうしたって出ないし、きっといつまでも迷い続けるのでしょう。
過去を迷うことほど無意味なことは無くて、人生の「もしも」を探すことほど非生産的なことも無い。
分かっていても、やっぱり振り向いてしまうものなのでしょう。
それがほんの、少し前のことでさえ。
迷わない生き方は私には出来そうになくて、でもこれが私の生き方だと思えば仕方のない気もします。
優柔不断な道だけど、進まないよりきっといい。
苦さの後に、ほんの少し砂糖の味。
カップの底に、コーヒー色の残り香。