まるごと凍った、密やかな景色。
歩きながら枝先に体が触れると、囁きほどの欠片が降ってくる。
チリチリと、光の雫を弾きながら。
風が吹けば無数の風鈴が一斉に鳴り出すような透明な音がして、どこかで欠けた枝が硝子の鍵盤を叩きながら滑り落ちていく。
足元には雪と、無数の光の欠片、みたいな森。
車を停めた人たちが行き交うのだけど、みんな硝子細工の中を歩くようにして行くのでそろそろと無言。
玻璃の球が砕けるような足音がする。
たまに差し込む光がプリズム状になるのを撮ろうと苦心したのだけど、思ったより難しかった。
『光おどるそこは、きっと夢の通り道』