日常が突然崩れるとき | 2011のしあわせ

2011のしあわせ

たわ言、泣き言、バカ話。

2011個のしあわせ集めます。

旦那とは結婚して20年弱。
とは言っても考えれば一緒に住んでいた期間の方が短いので
世間から見れば普通ではないかもしれない。

それでも大っぴらに寂しがりな旦那と密かに寂しがりな私は
毎日数回電話をしている。
一回の電話は数分で終わり、話したがる旦那と電話を切り上げて用事をしたがる私という構図が日常。

数日前のこと。仕事終わりに「ジムに行くね」とラインを入れ、22時過ぎに終わった帰り道、いつもなら旦那に電話をするのだがその日は妹から着信があったので折り返し電話をした。
思いのほか長話になり話しながら「旦那待ってるかなー」と思ってはいたが久しぶりということもあり話し続け終わったのが22時40分ごろ。
慌てて旦那に電話した。

コールをするも出ない。これはよくあることだ。
スマホを放置しているか、お風呂に入っているか。
あまりに取らないのでたまに喧嘩になるほど寂しがりのくせに無頓着だ。

今回も同じパターンかと思い電話を切りかけた時

繋がった。

でも、声が聞こえない。
電波障害か何か?と思っているうちに呻き声のような声。
しかし何度呼びかけても返事はない。
呼びかける。
呼びかける。

耳をすませるとテレビの音?に紛れてイビキのような音。

まさか。脳卒中?
パニックになった。

119番に電話をすべきか、そうだ。住所。住所を書いた紙はどこにあるんだっけ?
頭がぐちゃぐちゃになる。どこにあるかわからない。
そうだ、実家。家の電話から実家に電話をかける。
手が震えてうまくコールできない。スマホの電話は繋がったまま。

妹に「落ち着け」と言われ、住所を教えてもらい110番の方がいいのではな以下ということで110番した。
出たのは埼玉県警。事情を話している間に泣き声になる私。警察官の落ち着いた声がもどかしい。早く見に行って!

「わかりました。先方の県警につないで見に行ってもらいます。一旦電話を切りますね」と言われ電話が切れた。
何もできない私は応答のない電話に叫び続ける。
電話の向こうで苦しんで助けを待っている旦那を想像してパニックになりかけながら呼びかけ続ける。
警察の人、早く来て、早く来てと祈りながら。その時間は途方もなく長く感じられた。

間に合わなかったらどうしよう。
私がジムに行かなければ。
妹への電話を優先しなければもっと早く見つけられたのに。
一人になってしまったらどうしよう。いやだ、絶対いやだ。
そう思いながら叫び続けた。




旦那の声がした。
「こゆきちゃん、どうしたの」
「!?大丈夫なの??」
「寝てたんだよ」
私号泣。

そのあとはもう大変だった。
もう一度110番し、大丈夫だったことの報告とお詫びをしたものの、
警察官が2人家に来た。

旦那のところは武装した警察官が4人も来たそうだ。
何か事件に巻き込まれた可能性を考えてのことだと思うが
旦那が恐縮しながら「寝てました」というと苦笑いして帰って行ったらしい。
「恥ずかしかったよ〜」と言っていた。

それでも私が大号泣したためすごく反省していたようだ。
警察の人には申し訳なかったがやはりこういう時に日本の警察は頼りになるんだな、と思った。

それにしてもこの一件で平穏な日常はいつ崩れてもおかしくないということが身に染みた。
そして日頃億劫に思っている旦那との他愛ない会話がどれだけ心の支えになっているのかが。

そして、
何かあった時にどこに連絡してどの情報が必要なのか、きちんと家族で話し合っておかねばならないことを痛感した。
災害の時にどの伝言ダイヤルを使うのか、なども含めて。

そんなことをやっていない間抜けは私だけかもしれないが
皆さんにも是非お薦めいたします。


そして
旦那のマンションにセコムがあったのはそのあとの笑い話。