先日何気なくテレビを見ていたら
新しいジブリ作品の舞台裏をやっていた。
最近のものは見ていないが
ジブリ作品は、好きだ。
で、今回公開される「風立ちぬ」という作品も
話題にはなっていると知ってはいたが
とりわけ興味があるというわけでもなかった。
あんまり何となくテレビを見ることはないのだが
宮崎さんと鈴木さんは私にとってはとても魅力的な人物なので
めずらしくチャンネルを変えずに見ていたのだが
「ただ一度だけ」
この歌が映画の中で歌われるというではないか・・・!
しかも意外と重要な場面で重要な人物が歌うようである。
この曲は1931年のドイツの映画「会議は踊る」で歌われている歌だ。
おそらく100人中98人は知らないんじゃないだろうか。
私もなぜこの映画を知っているのか覚えがない。
(おそらく母の影響だろうと思うが)
内容は
1814年のナポレオンのエルバ島流刑をきっかけに
オーストリアのウィーンで開かれたウィーン会議の時の話。
であるが
主人公は町娘(クリステル)である。
会議に出席するためにウィーンに訪れたロシア皇帝、アレクサンドルに淡い恋心を抱く。
あることをきっかけにアレクサンドルと知り合いになり、居酒屋で楽しい夜を過ごした二人。
ある日皇帝の使者が突然クリステルの所にやってきて
皇帝の別荘に連れて行く。
その道中の馬車で歌われるのが
「ただ一度だけ」である。
このシーンだけ見ても
とても楽しげで気持ちが高揚するシーンだ。
会議は踊る.1 (1931) Der Kongress Tanzt. リリアン.ハーヴェイ. Lilian Harvey.
町中の人の祝福を受けながら
有頂天に歌うクリステル
でも歌詞は有頂天ではない
ただ一度だけ 2度目は来ない
もしかしたらうたかたの夢
明日になれば
消えているだろう
楽しげなメロディーに
切ない現実の歌詞
宮崎さんがなぜこの曲を選んだのかはわからないが
この深みのある歌をきっと絶妙なシーンで使ってくれていると信じたい。
そして
彼とこの世界観のすばらしさを共有できているのだと思うと
妙にうれしく、光栄でもあったりして。
反面
つい最近もドラマの「最高の離婚」で
主人公がちあきなおみの「星影の小径」
を歌ったことで
認知度が急に上がった時に
歌の良さをわかってもらいたい立場としては
もちろんうれしいのであるが
気持ちのどこかにポピュラーになることに抵抗を感じたことを思いだした。
この気持ちは何だろうか。
今回も少しドキドキしている。