いくらで売る気かしら私にとっての約束の地は、ママのいるところです。私はかならず、この阿蘇にいつか戻ってくるでしょう。帰ってくるのかもしれません。なぜなら私はママの手に一度抱かれたからです。愛する人の手に触れた犬はかならずその土地に帰ってくるのです。「仔犬いますか?」「今はいない、6月かな」「じゃあ、今いる7頭のなかから、その犬を売ってください」「この犬をね、パパはゴールデンを見る目をもってるね...」「ペロ♪」「いくらで売ろうかな...」「いくらで売る気かしら...」