アリスが生まれた3月 | 続・阿蘇の国のアリス
「カチャ」


「...ん?」


「ママ、お花が届いたよ」


「アリスが死んでから
ずいぶん経つというのに、
お花が途切れないね...
アリスは本当に
愛されていたんだね」

「テヘッ♪」


お花が届くたびに、
心が癒されています。

ブログのなかに
アリスの言葉を見つけると、
なんだかうれしくなります。

「小太郎くんのお母さんと...」


「亀吉さんからよ♪」


「おふたりとも、
長いつきあいになるわね」

「うん、ずっと優しかった」

「小太郎くんのお母さん、
亀吉さん、
ありがとうございました」


みなさんから
いただいたお花は、
不思議なことに、
ちっとも枯れません。

枯れないので、
お花屋さんも
びっくりしています。


さて...


イノシシ林で、
IKEAのオシッコをしたら...

旅の始まりです。


※しもん


「瞬さんが
わざわざこれをって...、
遠くから持ってきて
くださいましたよ」


「電話がありました...
泣いてました」


「アリスちゃんが自然の中で
楽しそうに過ごしていた
日々を思いながら、
山や海で集めた素材で
作りました...グスン」


「ありがとうございます、
プー太郎くんのママさん
(瞬さん)」


※だっこ




「元気を出してくださいね...
グスン」

「...は、はい」


やがて、
窓の向こうに
うっそうと生い茂る
杉林が見えてきました。


阿蘇で、「龍の通り道」と
呼ばれている場所です。




「あか牛の通り道でもあるよ」


「アリスが死んだ
2月16日は、
水瓶座新月で、
旧暦でいう正月でした。

新月と
旧正月が重なる日...

新月は始まりの象徴。
旧正月も始まりの象徴。

2月16日の
水瓶座新月は、
旧暦から見たら
ダブルスタートの
貴重なタイミングだった
みたいです」


「アリスちゃんは
その日を選んで、
旅立ったのかもしれませんね」

「龍神が時の運を
運んできたのかな」


「すごい風!」


「これもアリスの仕業ね」


「黄泉がえりカフェにでもいく?」

「うん」


イースト
(2003年公開の
黄泉がえり
ラストシーンで
長澤まさみさんが
バイトをしていた喫茶店)


私はママの前にいます。

それでママを守ります。

あなたの悲しい気持ちを
少しでも背負えるように、
生きていたころより
もっと強くなります。

そしていつか...


あなたのもとに帰ってきます。


3月も、
「続・阿蘇の国のアリス」を
よろしくお願いいたします。