パパの胸で | 続・阿蘇の国のアリス
アリス、
ぼくはきみの
生命の記録者になれたかな。

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自分の身を削りながら輝き、
空を横切る流れ星。

間違いなくそんなふうに
きみは見えた。

毎日のように
胸を焦がしながら、
ぼくは流星を抱いていた。

ぼくたちは
抱きあうことで、
時間の流れをとめようとした。

2月15日


...そろそろ、語ろうか?

最後にきみが
ぼくの胸で
燃え尽きた日のことを。

2月16日


...最後にパパとしていたこと?

うん、話せるよ。

前日、
明神池で水を汲んで、
コイにコイにちはして
苺凛香でケーキを
たべたんだったよね。


いちごの香りがしていた...

まさか、あれが、
最後の晩餐になるなんてね...


明け方、最後の敵、
嘔吐が襲ってきたときも...


私とパパは抱きあって、
絶望的な願いを
叶えようとしていたんだ...


「...アリス、苦しい?」


「吸って、吸ってごらん、アリス。
がんばろうね、アリス」


「私、パパのそばにいたいの、
...ゲボッ」

「わかってる、
ぼくも絶対離さない」