今ここに生きている | 続・阿蘇の国のアリス
熊本県宇土市の
粟島(あわしま)神社は
1633年創建で...

国土の開発や
医薬健康、諸業繁栄などに
ご利益があるとされています。


「アリスとママに...」


「ここはどこ?」




「...もしかしたら、
先日、私が死にそこなった場所」


「そう、御興来(おこしき)海岸。
また来れたんだよ」


「アリスは強いね」


「また連れて来てくれたんだ」


「そう、旅はまだ続いているんだ」


「雲仙...見える?」


「うん、見えるよ。
それに匂う...」


「有明海の匂い...」


「アサリやハマグリ」


「あの犬、また来たカァ」


「つぎは三角西港で
ランチにしようか」


三角西港は明治三大築港の一つ
といわれています。


明治10年に起こった
西南戦争で熊本は荒廃しました。


その熊本の復興をかけた
一大プロジェクトとして、
築港が実現しました。




一直線に海まで続いている東排水路


現在はレストランの旧三角海運倉庫


「海に来て、ナポリタンか...」


「熱い、辛い、美味しい!」


「スナメリ、来ないかな」




海の端に日が沈んでいきました。

いくら見ても見飽きない
夕焼けのショーでした。




身体はひどく疲れていましたが、
私はなぜか腹の底から
笑いたくなりました。


今ここに生きている。


疲れと同時に新しい力が、
身体の奥から湧いてきました。


猛烈な速度で海を飛んでいく船も、
別に妬ましくもありませんでした。


三角の夜は
その場にいた誰にとっても
忘れられない夜になりました。


それから、
ペットクリニックへ。




「アリスちゃんの目、
先週より輝いてますね」