カレーが付いたら... | 続・阿蘇の国のアリス
朝、ヤキトリでも
ミズタキでもなく、
アリスが鳴きました。

久しぶりに聞く、
トイレの合図です。


低血圧で
酒の飲めないぼくより先に、
高血圧で
酒豪のママが飛び起きて、
アリスのもとへとかけよります。

「はやく、
外に出さないとお漏らしする
...っていってる」

ぼくはパジャマのまま、
アリスを抱えて外に出ました。

「寒い...」


デッキのうえで
アリスのおなかを
さすってあげると、
すぐに世界地図を描きました。

「シャネール」


「アリスおりこうさん、
間に合ってよかった...」

二人は胸をなでおろし、
アリスをおうちに入れました。

横に寝かせると、
アリスは
カレーのようなウンチをしました。


潔癖症のぼくの指に
カレーが付きました。

「ワオーーーン!」

二人は絶叫しました。

「チッ...」


「パパの指にカレーが付いたら、
旅の始まりです」