希望の子 | 続・阿蘇の国のアリス


「ツメっ」


「フー子、いってらっしゃい♪」




つららのカーテンをくぐったら、
私のトイレの時間です。


「アリス、がんばろうね」

「...うん」


「よし、歩こう。おまえには、
みんながついてる」


「ハァハァ、ゼェゼェ、...」


「...で、た」

「アリス、おりこうさん♪」


「ママ、ウォシュレット、早く!」


「はい、はい」


ビールのようなオシッコをしたら、
病院に連れて行かれました。


南阿蘇トンネル


熊本市


俵山


病院


「着いた?」


「着いたよ、少し待つんだって」


「ママ、その手離さないでね」




「体重、増えてますね...
強いな、アリスちゃん」


「こうなったら、
なんとかして誕生日までは
生きなくちゃね」




川尻天明堂




「ジュジュくんファミリーに♪」




肉肉うどん


「アリスを失ったらどうしようって、
いつも思ってる...」


アリスより素敵な子どもなんて、
もう会うはずがない...」


「アリスがいなくなったら、
きっと私はがんばれない...

すぐに死んじゃう」


間近に迫る自分の死を考えるのは、
しびれるように冷たく恐ろしかった。


しかしそれよりも、
ママの言葉の方がもっと恐ろしかった。


ママを死なせてはいけない...

私は、ママの希望なんだ。


気がつくと、
私はケンタッキーを
頬張っていました。

「まだちょうだい!」

ママはそれを
目を細めて見ていました。