チュッ | 続・阿蘇の国のアリス
「また、立って歩けなくなっちゃった...」


「仕方ないよ...」


「...水汲みに行こうか?」

私たちの旅は、
パパの一言からいつも始まります。

「雪が残ってるね」


今日の水汲み場は、
久住町の「め組茶屋」さんです。




「きょうは炭酸が薄いな...」


「24本汲みました♪」


「豆腐、買いたいな」


近くには「郷豆腐店」さんがあります。


「アリスには豆乳クリームチーズ」




「...たべた♪」


「食欲はあるから大丈夫だよ」

「うん」


ランチは長湯の
「Snow Pot」さんにしました。




毎朝手作りパンを焼いています。


「アリスにはお隣の
デリカミート吉野さんの
唐揚げを買おうか?」


「...300グラムたべた♪」


最後は「ラムネ温泉」に行きました。




めずらしく、
ママの方が先にあがっていて、
うとうとと、うたた寝をしていました。


(私ね、旅の帰り道、
すごく悲しくなるんだ...

だって、
明日までパパとママと別々に
寝るんだもん。

これが最後で、
もう二度と
会えなくなっちゃうんじゃないかと
不安になっちゃうの...)

アリスの目が
うっすらと涙で赤くなっていました。


「わかった、アリス。
一緒に寝ることにしよう」

ぼくは笑って、
アリスを抱き寄せ、
頬に濡れた音を立て
キスをしました。


「おやすみ、ア、リ、ス」

※ラムネ温泉のフーとライです

「チュッ」