時間 | 続・阿蘇の国のアリス
アリスは年が越せるかな...。

心配してくれる友達が
たくさんいました。


奇妙なもので、

除夜の鐘が鳴り、
やがて元旦の朝陽が
静かに昇り出し、
周囲に光がひろがると、

それまでの苦悩が
嘘のように晴れてしまいました。


過ぎてしまえば...。


ぼくはよく自分で、
この言葉を口にすることが
ありました。


これも時間の不思議な力でしょう。


今年も年が明けて元旦になると、
家の三、四ヵ所に、
彼女がカレンダーを掛けました。


すると翌日は
どんな鳥や
どんな庭が見られるのか
愉しみになります。


カレンダーには、

明日はきっと
良いことがあるのでは...とか、

新しい月は夢が叶うかも...と、

ゆたかな思いを
抱けることがあります。


年が明ければ、
もうどこかで梅、桜の声がします。


そして、アリスの誕生日も...。


時間は奇妙なものです。