パパのばか... | 続・阿蘇の国のアリス
「もぐモンとヒョロです、よろしく♪」


みかん狩りの前に、
みんなは讃岐うどんをたべました。

※植木町「みしま」さん


「あつあつを、ください!」


「本格的~♪」


心に浮かんだ言葉を口にだしてみます。


私たちは悲しいというと、
実際に悲しくなり...


底抜けにたのしいというと、
どこかはずむように
たのしくなりました。




秋の終りの空といえば、
抜けるように澄んだ高い空を思い...


秋の日といえば、
熱のない穏やかなオレンジ色の
日ざしを想像するのでした。


「にせモン、代わって...」


そんな、穏やかな秋の暮れ。

私の最後のみかん狩りが
始まろうとしていました。

「アリスパパ、代わって...」




※「吉次園」さん


「さあ、がんばりましょう!」


吉次園さんのみかんは、
栽培歴40年以上。

熊本県金賞も受賞しています。


食べ放題(50分)は、500円です。


「目標は30個かな...」


「うどんたべたあとだから、
20個でダウン」






「ア、リ、ス♪」


「どこ?」


心に浮かんだ言葉を
ふたたび口にだしてみる...

みらい、きぼう、まま。

小さな声でいいました。

私の目には涙があふれてきました。


「パパ、なにしてるの?」


「アリスにも
みかんをたべさせてあげる」


「パパのばか...」

なんだかおかしくなってきた。

パパはだいじょうぶというように、
軽く笑ってうなずいています。


パパに勇気づけられ、
なんとか前をむいて歩ける
と思えるのは、こうした瞬間でした。


顔をあげると、
私の目には光がもどっていました。


※8日、午後。