山粧う | 続・阿蘇の国のアリス
「アリス、
つぎ私たちが阿蘇に来るまで
がんばるんよ、約束やけんね」

今年3月、
私ともなか親分は
約束を交わしていました。


ジュジュくんファミリーが
阿蘇に帰って来る日(3日)...。

その日は、
もなかくんファミリーも阿蘇に
やって来ることになっていました。


その前日のことです。

「明日、
ジュジュくんファミリーと
もなかくんファミリーが
たべに来たいそうですが、
予約できますか?」

「団体が2組入ってますけど
いいですよ」


「よかった♪」


「四季見茶屋」さんに
明日の予約を入れたあと、
私たちは「鍋の平」まで行きました。


そこは、阿蘇で一番の紅葉ポイントです。


ここからだと、
阿蘇五岳の根子岳が真近に望めます。


根子岳は五岳のなかで
最初に噴出した火口丘で、

そのために他の火口丘よりも
際立って浸食が激しく、
山肌の樹相はとても豊かです。


「パパ、リンドウ...」


「うん、たくさん咲いてるね」


リンドウはキツネのレッドの
生まれ変わりです。


パパにお願いがあるの...


私がいなくなったら、
明るい顔で笑えるものを探してね。


それが生き残った者の使命だと思って。


「いやだよ。自分一人がしあわせなんて」


それはわかるけど、
自分一人が笑う方が辛いことなら、
辛いことを選ぶのも
大人の男の選択だと思う。


不運だということはこの世にはないの。


私たちの生は、
生きている誰かのためにあるの..






「だから私は、生きてるいるのよ」


「アリス、聞こえる?シカが鳴いてるよ」


「聞こえる...シカが泣いてる」