命の軽重 | 続・阿蘇の国のアリス
「ママ、明日(火曜日)は外来だね」


「うん。7ヵ月ぶりのCT検査もあるの」


「そう...きっと、大丈夫だよ。
ムシャムシャ」


「...スヤスヤ」


翌日、ママとパパは病院へ行きました。


検査が終わって、
先生の診察が始まりました。


人の命は必ず
生かされるべきものとしてあります。

しかし動物医療にはそれがありません。

生かすか殺すかは、まるで曖昧。

いくらかかっても治してほしいと
頼む人がいる一方で、
ちょっと病気になったからと、
安楽死させてくれと来る人もいる。

犬なら犬で、同じ犬でありながら。


命に軽い重いはない
なんてのは嘘だ。

命には軽重があると、
実は誰もが思っている。

「ね、大丈夫だったでしょう?」


「うん、ありが...」

「...スヤスヤ」