ママは今、
せいらママとホーちゃんと一緒に、
黒川温泉の天国村に泊まっているから。
酵素にたくさん入って、
がんを小さくするんだ。
だから、
これからの夜はふたりで過ごすんだよ。
今夜はぼくの胸がきみのベッド。
この心臓が打ち続ける限り、
きみはぼくの胸で眠るといい。
ぼくは阿蘇を旅して、
きみにたくさんの景色を見せてあげよう。
ぼくよりずっと濃厚だった
きみの人生まで生きるのは、
ちょっとむずかしいかもしれない。
けれど、ぼくはどこまでも生きる。
最後の心臓のひと打ちがとまるまで、
力を尽くして生きる。
おかしなところがあったら、
笑ってほしい。
いつでもぼくの心は濡れている。
