海の日と魔法使い | 続・阿蘇の国のアリス
連休最後の日は、
ジュジュくんファミリーが
広島に帰る日です。


その日は午後から、
ジュジュくんの別荘に行きました。

「ジュジュくん、お、は、よ♪」

私のおうちから
ジュジュくんの別荘まで
車で3分です。


「アリスちゃん、
きのうは疲れなかった?」


「うん、だいじょうぶだったよ」


「ジュジュくんよかったね。
おうち買ってもらって」


「うん、まだいたいな」


「これから何度でも来れるよ」


「それに、旅はまだ終わってないわよ」


「ここは、ゲゲゲハウス...」


「ここは、以前も来たことがある、
陽目渓谷名水茶屋さんだよ」


「テッテレ~♪」


「まあ、アリスちゃんが歩いてる!」

「やあ、お婆ちゃん♪生きてた」


「ごはんの前に、水遊びしようね♪」


「あの二人、本当に愛し合ってるね」


二人の姿は
微笑ましいというより、
そこだけに光が当たっているような
輝きがありました。


川遊びから
名水茶屋さんに帰ってくると、
一人の老婆が声を掛けてきました。

「あらアリスちゃん、元気そうじゃない」

顔を上げると、そこに
魔法使いが座っていました。


私はとっさに口に出しました。

「魔法使いさん、この前、
ジュジュくんが息切れしたの...
今度はジュジュくんを助けて、お願い!」


すると、魔法使いは
ゆっくりと口を開きました。


「ジュジュくんは、
幸せ過ぎて羨ましがられているの...」


「だから、
私からお願いしておくわ。
これ以上、ジュジュくんとかあさんの
邪魔はしないでって...」


「パン!パン!もうだいじょうぶだよ」


魔法使いの小さな行為が、
なにか目には見えぬ力に
支えられながら、
まるで一人歩きするように
大きな広がりを持ちはじめています。

今度会ったら、
病気のお友達のことも言ってみようかな。

「月末、また会おうね♪」

「アリスちゃん、ありがとう!」