時間がクスリ | 続・阿蘇の国のアリス
ママが退院したのは、
2年前の4月...。

それから2年2ヵ月後の今日まで、
ママは毎日パパから
「ビワの葉温湿布」を受けています。

仕事が終わった
午前1時から3時までが
その時間です。


まず、
スポンジマットに
水で2倍に薄めたビワのエキスを
含ませます。


次に、
通電させた温湿布器本体の上に
スポンジマットをのせます。


そしてその上に
ママに仰向けになってもらい、
腰部、背部、臀部などに
10分程ずつあてていきます。


「コッ、コッ、コッ、コッ...」


「ア~、リスちゃん、お、は、よ♪」


「コッ、コッ?」

「おはよう、ヤキトリ...」


「カルデラバッチョさんに行かないの?」

「行くけど、まだねむいの」


カルデラバッチョさんは、
ゴールデンの
ジンジャーちゃんのおうちであり、
南阿蘇で大人気の食事処です。


ママは食前に、
知り合いのお客様から
ワインをいただきました。

あまり飲ませないでください。
じつはママは酒豪で、
以前ヤクザを叩いたことがあります。

パパは逃げましたが、
ママは最後まで闘いました。


スープカレー、
本格石釜焼ナポリピッツア、
煮干しらあめん、
何を食べてもおいしいです♪




パパはあまりのおいしさに、
特別にらあめんの替え玉をお願いしました。


南阿蘇に暮らして8年の歳月が過ぎました。


春、夏、秋、冬と南阿蘇の地でしか
見ることのできない美しい風景や
人の情にふれました。

7年前から
ぼくにも愛犬ができ、
深夜、愛犬とといっしょに
星を仰ぎ見たり、
森の闇の中から聞こえるシカの声、
フクロウの声を聞き、
そして雪灯りの中に降り積む
粉雪を眺めたりもしました。

歳月というものは
人の心のありようをかえます。

それを「時間がクスリ」と言う人もあります。