山犬に会いに行く | 続・阿蘇の国のアリス
益城町の
「Walet(ワレット)」さんで
ランチをした後、
ママは買い物に寄りました。


場所は、熊本市の
農産物直売所「有機生活」さんです。


ママはがんになってからというもの、
食材にこだわるようになりました。


野菜と果物を大幅に増やし、
有機(オーガニック)食品を
選ぶようなったのです。


しかしそれにはお金が掛かります。


キャベツ200円...




鹿児島トカラ列島産
島バナナ1040円...


有機チョコレート799円...


それでもママは
欲しいものをひょいひょいと、
買い物かごに入れました。


ママは買い物をしている時が
一番楽しいそうです。


だから、パパも仕方がないといって、
許してくれています。


「ママ、私の
おおいた冠地どりも忘れないでね!」


「はい、はい」




「チッ、あいつら、
有り金全部使って死ぬ気だな」


山犬にも玄米パンを買いました。


「元気にしてるかな...
ハイエナとリカオン」


ツツジの丘で暮らしている
ハイエナとリカオンは、
山犬のライオンとトラから生まれた
2代目の子どもたちです。


ママとパパは
ライオンとトラの時代から
時々ご飯をあげていました。

「ハイエナ、おいで~♪」


「あっ、アリスママだ♪」


「リカオンもおいで~♪」


「あなたのママとパパは、冬の間。
地面に穴を掘って寒さをしのいでいたのよ。
信じられなかった...」


「私は阿蘇の自然と関わりながら、
あなたたちに魅かれ続けていたの...」


「そんな世界を
どこかに残して欲しいと願いながら...」

「アリスママ、またね来てね♪」


その日の夜は野菜炒めでした。


見た目はとてもおいしそうでしたが、
ママとパパはやっぱり
叫んでしまいました。


「から~い!」