雨の三角西港 | 続・阿蘇の国のアリス
熊本のペットクリニックで
診てもらう前に...

「宇土マリーナおこしき館」と、
「三角西港」に向かいました。


明治三大築港の一つである
「三角西港」は
宇土半島先端に
明治20年に開港...


明治22年には
国の特別輸出港に指定され、
九州の一大集散地として栄えました。




「前方に見えますのは、
天草五橋の1号橋天門橋と
建設中の新天門でございます。
お梅の故郷でもあります」


※浦島屋


※排水路(国重要文化財)


※旧三角海運倉庫(国登録有形文化財)


旧三角海運倉庫は
現在レストラン「珈琲屋和蘭館」として
利用されています。


ということで、
三人は海を眺めながらティータイム。




と、その時。


偶然の出会いがありました。


「ポコッ♪」


「ポコッ、ポコッ♪」


「西港のアイドル、スナメリです」


スナメリは体長2メートル弱の
クジラの仲間で、
有明海と八代海近海で
約3000頭いるそうです。

「すごい、10頭以上はいる!」


パパは私にも見せてあげようと、
急いで車から連れ出しました。


「アリス、スナメリがいるよ!」


静けさの中でカモメの鳴き声が
聞こえてきました。


「見えるよ。私が元気だったら、
きっと友達になれたと思う」


旅の中で、私は誰よりもじっと
海を見つめていました。

スナメリの群れが船を追い越して
水平線に消えていったときも。

カモメが空から急降下して
魚を捕まえたときも。


誰もがつかの間の出会いを
いつくしんでいるように思われました。


「病院は嫌いだけど、
三角に来てよかった。なぜかって?
阿蘇で忙しい日々を送っているその時、
三角の海でスナメリが
飛び上がっているかもしれない。
そのことを知れただけでよかった」


私にはパパの気持ちが痛いほど
よくわかりました。