故郷の滝 | 続・阿蘇の国のアリス
「高塚さん」を後にした私たちは、
「慈恩の滝」にやってきました。


昔パパが仲間といっしょに
大ヤマメを釣りまくった
懐かしいポイントです。


日没までのわずかな時間に
大物を狙うのだそうです。




「アリスはここで、
ママといっしょに
マイナスイオンを浴びてて...」

「いや。私も行きたい...」


「わがまま言わないの。
私といっしょにいよう」

「チッ...」


「緑の淵がきれい」


つらいとき、かなしいとき、
誰かとそれを分かち合うことは
楽そうにみえる...


でも、人が眠る時間が
それぞれ違うように、
眠くないときに目を閉じても
簡単には眠れないように、
結局は闇の中、
たった一人で向き合わなければ
ならないのです。




澄んだ川の水、
風景の繊細な美しさ、
そしてそこに棲む魚の美しさ。


ぶどう虫のエサをつけて
竿を振りこむ。


すぐにコツコツとあたりがあり、
静かに合わせて一気に抜き上げる。


残念、20センチのオイカワです。


もう少し暖かくなって
魚が動き始めたら、
またこの川に来たいと思います。








全身びしょ濡れになったけど、
仕方がない...

パパが言うには、
マイナスイオンだそうだから。
それに、春だから。