2017年外来その1 | 続・阿蘇の国のアリス
今日はママの外来です。


先日の脳転移の検査結果を
聞く日でもあります。

そのせいか、
パパは眠れずに
朝を迎えてしまいました。


「茶柱ならぬ、バナナが立った...」


私は迷ったあげく、
付いてゆくことにしました。


おうちから丁度50km。
いつもの病院に着くと、
ママはさっさと歩きだしました。


そのうしろにパパが
背中を丸めてついてゆきます。


採血をして、
レントゲンを撮って、
一時間待つと、
二人は診察室に呼ばれました。


「おはようございます」

先に診察室に入ったのは
パパの方でした。

ママはここへ来て
一気に緊張してしまったのか、
わずかに微笑んだままです。


「先生、脳の検査結果はどうでしたか」

せっかちなパパは、
椅子に座る前に質問をしました。

海馬の御守をにぎった手に力がはいり、
関節が白くなっていますー。


「ママ、これ、
すっぽんスープだって。
飲んでごらん」


「うん、いける」


「この後、
花屋さんにでも寄る」


「うん」


「アリスちゃん、がんばってるね~」


「だって、ママの子だもん」


「アリスちゃんにも買ってあげなきゃね」


「もしかして...」


「ケンタッキー♪」


「コッ、コッ。
アリスちゃん、ママはどうだった」


「大丈夫だったよ。
脳転移してなかった...グスン」

「ヤキトリありがとう。
私、アリスの母親だから」