自然との約束 | 続・阿蘇の国のアリス
ここ...


最近お気に入りの寝床。

「ふぁ~」


「コッ、コッ。アリスちゃん、おはよう」

「あっ、ヤキトリがきた!」


「パパ、なんか、ちょ~うだい」


「はい、はい。それよりヤキトリ、
鶏狩りの練習しょうよ」


「それは、コ、ケッコウ」


「ウーン...ママ出た」


ヘビのようなフンをしたら、
旅の始まりです。


「ねぇパパ、きょうはどこに行くの?」


「竹田の銭湯カフェに行って、
それから、め組茶屋で水汲みかな」


「あっ、ヤキトリがたくさんいる」


「カフェなのに、チャンポン?」


「知らないの。
竹田はチャンポンが名物なのよ...ズズズ」


ママとパパは食事が終わると、
私を車から連れ出しました。


銭湯カフェの裏には
「延命地蔵尊様」があって、
そこまで私を歩かせようと
しているのです。


「アリス、がんばろう!」

案の定、無理をした私は、
ヘナヘナと腹這いになってしまいました。


そんな横で、
ママは祈りを捧げています。


すると、どうでしょう...。

帰りは、駆けることができました。






水を汲んだ後も
旅は続いていました。


ここは、
め組茶屋近くの
「籾山(もみやま)神社」です。


参道の巨杉並木を抜けると、
樹齢千年と言われる
大ケヤキの御神木があります。


ぼくは、自然に対して、
漠然とした恐れを持っています。

日常生活の中での、
ひとつひとつの
小さなかかわりにも、
自然との約束があるような
気がするのです。

生き続けてゆくためには
その約束を守り続けて
ゆかねばならないのです。

「アリスに殺された
イノシシの魂よ...。
どうか鎮まりたまれ」