クルスの海へ | 続・阿蘇の国のアリス
「アリスが7歳まで
生きられますように...」


ある晴れた日曜日。
ママとパパはそんな願いを持って、
宮崎の海を目指しました。


行き掛け、
ウグイス嬢のような
マリリンさんの声を聞いていたら、
あっという間に、日向に着きました。


「せっかくだから、
伊勢えびを食べよう!」


そう、パパが叫ぶと、
海の駅のレストランは閉まりました。

「閉店ガラガラ♪」


仕方なく、
隣のレストランに入りました。

※6月オープンの「かき寧」さん


「こっちの方がいい~♪」


ママは、
がんにいい牡蠣を
見つめながら言いました。


「わたしもこっちでよかった~♪」

ぶりかまを貰ったので、
わたしも賛同しました。


そこから、
「願いが叶うクルスの海」までは、
すぐでした。


「アリス覚えてる?
前にも一度、来たことがあるのよ」


「うん、覚えてる。
ママと一緒に鐘をついたね」


「クルス」とは
ポルトガル語で
「十字」の意味をもちます。


岩場に囲まれた海が
「十」の文字、
近くの小さな岩場とあわせて
「叶」の文字に見えることから
「思いを込めて祈ると願いが叶う」
といわれています。




ママが思いを込めて祈ると、
飛行機雲が天まで伸びてゆきました。


「水深が深いから
コバルトブルーに染まるんだ」


それから、
「伊勢ケ浜」に行きました。


レモネードのようなオシッコをして、
砂浜を走りました。


「今、わたしは生きている!」


「みんなに支えてもらいながら...」


砂の道をたどりながら、
叫びだしたくなるような
幸福感に満たされています。

「ママ、
わたしのこと離さないでね」


「うん」


「アリス、めざし食べる?」


「うん」