南小国町の
「風のもり」さんに行きました。
「アリスの体にいい
リゾットがあるから」と、
パパがわたしのことを
気づかってくれたのです。
「アリスちゃんだ...」
「今、農園は、
ブルーベリー狩りの真っ最中だよ!」
ママは、食事の前に、
ブルーべりーを
口いっぱいに頬張りました。
「びっくりするほど甘い!」
この甘ずっぱい味は
本当に疲れを癒してくれます。
「リゾット、
チョビちゃんにもおごるね」
「いただきま~す♪」
いつだったか...
こんなことをパパから
いわれたことがあります。
「ブルーベリーの実を摘みに行って、
クマとはち合わせしないようにね」
...九州にクマはいませんよ。
「風のもり」さんを出て、
30分後...
わたしたちは、
筑後川源流の樹海の中を
さまよっていました。
どうやら、
駐車場までの帰り道を
迷ってしまったようです。
ホーッ、ホーッと、
森の奥から、
低くこもったフクロウの声が
聞こえてきました。
近くに
クマがいるような気がして
なりませんでした。
童話が生まれる瞬間とは、
こんな時なのでしょうか。