あたたかいいぬ | 続・阿蘇の国のアリス
今日は週に一度の
ママ・パパ、マッサージの日です。


午後から峠を越えて、
阿蘇谷へと向かいました。


マッサージの前に
「ヒバリカフェ」さんに寄りました。


「お久しぶりです」

「あら、そうだった?
いつも会っているような気がするけど」

どんな気持ちでママが会いに
来たのかも知らず、
お姉さんは笑みをたたえて
出迎えてくれました。


ママはこれまでのいきさつを
お姉さんに話し始めていました。

「お姉さん、あの...私、
がんになってしまいました」

「えっ、うそ!?こんなに元気なのに」


「幸い良い薬にあたったので、
苦しまなくてすんだのですが」

「よかった...」


「今、がんは、
見えなくなるほど
小さくなりました」

「すご~い!」

お姉さんはじっとママを見つめながら、
耳を傾けてくれました。
わたしはそれが嬉しかった。


「アリスちゃんも心配したね」


ここの看板メニューは
ホットドッグ。
ハム・ソーセージの工房
「ひばり工房」を営むだけあって、
味は折り紙つきです。


ママは、
約20cmのジューシーな
特大ソーセージを挟んだ
ヒバリドックをパクッ♪


ところが、
わたしにあげまいと
あわてて頬ばるから、
ソーセージをスカートの上に
落としてしまいました。


ママが不機嫌になったので、
用水路で遊びます。


「あっ、アリスちゃんだ」


目の前に広がる、田園と山並み...。
いつものように、
心地よい風が吹き抜けてゆきます。


わたしは阿蘇に生きる
多様な人間の風景に魅かれ...


今も同じような作業を繰り返しています。


「そろそろ行かなくちゃね、マッサージ」