遊水狭にて | 続・阿蘇の国のアリス
午後起きて、
イノシシ林で
オシッコをしていたら、
樹液の香りが漂ってきました。


近づいていくと...


クワガタとオオムラサキが
集まっていました。


わたしは、
フィールドがすぐ裏庭から
始まっていることが、
最初、信じられませんでした。

「日本の国蝶
オオムラサキほど
美しい蝶はいないのでは
ないでしょうか」


今日は、
家から車で1時間30分の
「遊水狭」に行きました。


遊水狭は川すべりで
知られていますが、
もう一ついいのは
川の水温が高いことです。


川につかっても
冷たいという感覚が
まるでないのです。


それをいいことに、
パパは急流をどんどん渡りました。


尻尾を振って
それを見ていたわたしは、
たまらず川に飛びこみました。


しかし、その時です。
梅雨で増水した川に
わたしは流されてしまいました。


なんとかパパに、
助けてもらったけど...。
(そのことを、
後でジュジュかあさんに話したら、
コラー!コラー!コラー!と、
3回叱られました)


わたしたちはそれから、
最上流に位置する
「カッパ滝」を目指しました。


実をいうと...


この時も、
ちょっぴり危険でした。




それだけに、
カッパ滝に辿り着いた
ママの喜びも一塩でした。


「やったぞーー!」


ある時のヤマメ釣りで、
ぼくとアリスは川を渡っていて
一緒に流されたことがあります。

激流に流されながら
時々アリスと視線が合うと
思わずニヤリとしてしまうのです。
頑張ろうね、といっている
人間みたいに見えたのです。

アリスは人の眼をじっと見るので
気持ちが通じたような
気になるのです。
アリスがパニックに陥らず、
普通の表情をして
ぼくを見ているのを
面白いと思ったのです。


滝を眺めていると、
アリスはぼくの横で
うとうととまどろんでいます。

まるでぼくの子供のように...。


「アリス、そろそろ帰ろうか」


その日の旅は、
ヤマメ釣りを眺めて終わりました。




わたしは、
自分が尊敬する人間とは
喜んで行動をともにしますが...


もしただ支配しようとする
人間がいたら断固として
それを拒否するでしょう。