KEIKOとけいこ | 続・阿蘇の国のアリス
ママの実家は
おそろしく貧乏で...
ママは社会人になるまで、
外食も旅行もしたことは
ありませんでした。
洋服は、いつもお姉さんの
おさがりばかりでした。


そんなママの一番の思い出は、
父親とふたりで行った
フナ釣りでした...

そのせいか、
ママは今でも、
釣りから離れることがで
できないでいます。


そのことを知ってから、
パパはママに18年分の
外食をさせてやること、
洋服を買ってやること...。
そして、旅に出ることを、
心に誓って生きてきましたー。


臼杵に行ったわたしたちは、
二王座歴史の道を歩いて、
九州で最も古い味噌・醤油の老舗
「カニ醤油」さんに行きました。


お目当ては、みそソフトです♪


みそパウダー、
みそクランチ、
みそソースで、
ソフトクリームのおいしさは
さらに倍増です。


南蛮文化薫る
「久家の大蔵」を歩いた後は...


いよいよ、
お梅とフー子からの
ママへの誕生日プレゼントです。


ふたりで考えたプレゼントは、
ママに名物・臼杵フグを
味わってもらうことでした。

場所は、料亭「山田屋」さん...


ミシュラン三ツ星を獲得した
山田屋東京西麻布店の本店で
創業100年以上を誇る老舗です。

また、ここは、
あの人の実家でもあります。


「ありがとう。いただきます」


新鮮なフグだからこそできる、
刺し身の「厚引き」が臼杵流です。










フグ料理はとめどもなくまわってきました。


「ほんとうに良いお子さんですね...」

「はい」

ママは素直に答えました。


誰もが自分の人生を
書きつづる力があったらいいですね。
どんな人間の人生も
語るに値するものだと思います。

とても時間がかかったけれど、
ママはがんになって
生まれ変わったような気がします。

みんな、ほんとうにありがとう!


帰ろうとした時、
女将さんがご挨拶に来られました。
その時ママは叫ぶように言いました。

「KEIKOさんを
いつも応援しています。
私と同じ名前で、
私も病気と闘っています!」

女将さんはママをそっと抱きしめて、
やさしく励ましました。
その顔は菩薩様のようにも見えました。




「さようなら!」

別れを告げる時、
ふとglobeの
「ワンダリン・デスティニー」が
聞こえたような気がしました。