恋人たちの丘 | 続・阿蘇の国のアリス
大型連休の前、
南小国町の「風のもり」さんから
電話がありました。

「5月1日から営業を再開します」


こどもの日、
ママとパパは、わたしを、
「風のもり」さんに連れてゆきました。


「おばさんのおうちが全壊したんだって?」


「そうなの...。
今は友だちのアトリエに住んでいるの」


「田んぼもやられたんだって...」


「この下を断層がとおっているからなの」


レンゲ畑に入ってゆくと、
心地良い香りに包まれました。


ママはテラスへと
歩いて行きましたが、
わたしはひとりで畑にいました。


風景とは言いかえれば、
人の思い出の歴史のような気がします。

風景を眺めているようで、
多くの場合、
私たちは自分自身を含めた誰かを
思い出しているのではないでしょうか。


「アリス、何してるのかしら?」


わたしが大人になって、
いつかわたしがひとりになった時...


同じ風景がどれほど違って
映るものなのでしょうか...。


「ねぇママ...。
モッコウバラがきれいだよ」


ママと一緒に行きたかった、
「恋人たちの丘」にも行けました。


「やったぞー!」

最近のママのマイブームで、
プロアドベンチャーレーサー、
田中陽希の真似です。




ママは愛の鐘を鳴らしました...


ゆっくりと、大きく...。
わたしたちの心に響くように。


いつかわたしがひとりになった時、
この風景を思い出したのなら、
わたしは必ず泣くでしょう。