最後の楽園 | 続・阿蘇の国のアリス
その日パパが
オタマジャクシを逃がしてあげた
川こそが...


幻のムハンアマゴ(イワメ)の棲む川でした。


いったいどれくらい、
ムハンアマゴを
探し回ったでしょうか...


結局...


身を切るような清流に負けて、
わたしは陸に上がりました...。




ニホンカモシカ...


そして、
「九州にいるはずのない」
ツキノワグマも探しました。


絶滅した、
二ホンオオカミも探しました。
2000年に、
それらしき動物が
写真に収められたからです。


途中、車を捨てて、
山の奥へと進みました。


「日本百名山」を書いた
山の文学者・深田久弥も
この場所から、
祖母山を目指しています。


「どこかにいてほしい」


わたしとママには、
パパの気持ちが
何となく分かります。


きっと、
ニホンカモシカや、
ムハンアマゴ...。
それに、
ツキノワグマを
追い求めることが、
パパの夢なのです。


山が人工的になってゆくことが、
つまらないのです。


祖母傾山系こそが、
九州における
「最後の楽園」
なのかもしれません...


最後に滝を目にした時...


私たちは、
太古からの呼び声を
聞いたような気がしました。


「アリスもママも
元気になったみたいだね」