竹田の銭湯カフェ | 続・阿蘇の国のアリス
ひなまつりは、
大分県の竹田にゆきました。


竹田に着くと、
御客屋敷前に車を停めて...


江戸末期に建てられた
「銭湯カフェ」に、
ママとパパは入って行きました。


なぜここが、
銭湯カフェかというと、
以前ここ(大蔵清水湯さん)が、
銭湯だったからです。


所々に当時のなごりが
残されています。

「番台に...」


「湯船にタイル...」


「蛇口」


パパはなんだか懐かしそう。


それもそのはず、
パパの実家も
元銭湯なのです。

「幼い頃、
僕はいつも番台に座っていた。
そのせいか、
女性の裸を見ても
なんとも思わないんだ」

「うそでしょう」


「幸せだったのは、
その頃までかな...。
銭湯が潰れてからは、
お金に困りはじめ、
母親はスナックで働き始めた。
やがて母はスナックの
客と仲良くなって、
父と子供4人を置いて
男と逃げたんだ...。
それからママと出会うまで、
僕は誰からも愛されなかったし、
誰も愛さなかった...」


夜になり、星が出ました。


パパは私を抱きかかえ
優しく呟きました。

「アリス見てごらん!
ママとパパが星前結婚式で
愛を誓い合った北斗七星だよ」


わたしはその星に近づきたくて、
どこまでも草原を走りました。