おやすみレッド... | 続・阿蘇の国のアリス
ジュジュとうさん、
ジュジュかあさん、
そして、ジュジュくん...。
今頃はもう、
広島のおうちでしょうか。


昨日は、
楽しいひとときを、
ありがとうございました。


ジュジュくん...
せっかく阿蘇まで
来てくれたのに、
一緒に遊んであげられなくて
ごめんね...。


ほんとうは、私、
ジュジュくんに
嫉妬していたんだ。

だって、
ジュジュくんの
とうさんとかあさんは、
ジュジュくんを、
まるで人間の子どものように
可愛がり、接しているんですもの。
そのことがとっても、
うらやましかったんだ。


私のパパなんて、
おもしろがって、
垂直の崖下に
石を放り投げ、
それを拾ってこいって
いったり...。

生後3ヶ月の頃の私を、
川に放り投げ、
魚をくわえてきてとも
いったのよ。

生後6ヶ月の時にも、
草原に置き去りにされて、
マムシに噛まれた
ことだってあるの。

まだあるわ。
1才の誕生日には、
カヌーに無理やり乗せられ、
激流で沈し、流され、
死にそうになったのよ。

ほんとうに、
パパってひどい人なんだから!


でもね、
それだけで、
ジュジュくんのことを
無視したりなんかしないよ。


みんなには
黙っていたけど、
あの日の朝、
悲しいできごとがあったんだ。

私とパパは見てしまったの...


変わり果てた...


キツネのレッドを...。


南阿蘇に来て、
最初にできた
友だちだったのに...。

外で飼われていた頃、
さみしくて鳴いていると、
会いに来て、
涙をなめてくれたのに...。


レッド...
大好きなレッド。
なぜ、雪の中に埋もれていたの。

あなたの死を悼み、
仙酔峡から
石を持って帰ってきたよ。


あなたを忘れないよう、
うちのケルンに積んだよ。


そこには、
仲間がたくさんいる...

シジュウカラのシロとクロ。
カラスのカー子。
金魚の金ちゃん。
イノシシのイボ。
そして、
ワナにかかって死んだ
シカのクヤシカ。

みんないるから、
もう、さみしくないでしょう。


あなたの死骸は、
私のドッグランに、
明日、パパと一緒に埋めます。
パパはやさしいから、
きっと泣きながら
埋めるでしょうね。
私はそんなパパが大好きなの。

ねぇ、レッド。
春になったら、
リンドウになって
生まれ変わってきてね。


最後にジュジュくん。

ジュジュくんのために拾った
クヤシカの骨...
渡すのを忘れたから、
今度来たときに渡すね。


おやすみジュジュくん。
おやすみレッド。
おやすみママ。

ありがとうパパ...。


ジュジュの九州旅行②