愛しのジンジャーちゃん | 続・阿蘇の国のアリス
初めて
そのワンちゃんを見たのは、
11月のことです。


南阿蘇の「緑の小箱」さんで、
ランチをすませて
帰ろうとした時でした。


一匹のワンちゃんを乗せた車が、
目の前を横切っていきました。

「バイバイ~♪」


その愛くるしい姿に、
ママとパパは、
一目惚れしてしまいました。

それが、
ゴールデンレトリーバーの
ジンジャーちゃんとの
出会いでした。


それから何日か経って、
ママとパパは、
ジンジャーちゃんに
会いにゆきました。


山道をのぼった先にある、
スタイリッシュな建物...

そこが、
ジンジャーちゃんの暮らす、
「カルデラパッチョ」さんです。


「会いに来たよ~♪」
「ウーーー」


オーナー夫妻は、
鹿児島のご出身で、
ご主人は和食職人...


南阿蘇に惚れこんで、
今年、お店をオープンしました。


カレー、ピザは絶品...


ラーメンも人気の一品だそうで、
リピート客も多いそうです。


「ジンジャーちゃん、また会おうね」


「あなたのことが、大好き」


美味しいものを食べると、
ママは決まって、
帰りの車の中で
歌を歌います。

しかしそれは、
流行りの歌なんかではなく、
懐かしい童謡です。

「もういくつねると 
お正月
お正月には 凧あげて
こまをまわして
遊びましょう~♪」

私もパパも言葉を失い、
長い沈黙が流れました。

それはママが、
過去と未来という
岸のはざまで
立ち尽くしているような
気がしたからです。