ヒマワリの種 | 続・阿蘇の国のアリス

今年の阿蘇の秋は

とても素晴らしかったです。


けれども、これほど悲しい気持ちで

晩秋を迎えるとは思いませんでした。


この1、2年

私の友人が続けて命を落とし、

コーギー犬のアビー王子もまた

いなくなってしまいました。

ついにはママが

ガンになってしまうし...。


ある日の午後、

ランチをすませた私たちは、

丘の上の一本道を歩きました。


そこは、

ついこの間まで、

ヒマワリが咲き乱れていた場所で...


ゆっくりとした歩調で

山の斜面を観察して歩きました。


ヒマワリの花は

とっくに終わっていたのですが、

かわりにたくさんの

種がこぼれていました。



その種を求めて、

たくさんの小鳥たちが

集まっていました。


ヒマワリは死してなお、

旅を続けていたのです。



「ねぇ、アリス...。

おまえを見ていると、

前にどこかで会ったような

そんな気がしてならないんだ。

もしかしたら前世で、

一緒(奥さん)だっのかも

しれないね...」


「だとしたら、うれしいな。

でも、ママはなんだったの?」


「う~ん、ぼくのお母さんかな」


「じゃ、アビー王子の前世は、

魔魔さんのご主人だったんじゃない?」


「それはわからないね」


「じゃ、オジヤさんは?」


「そりゃ、魔魔さんのオヤジ...

お父さんだったにちがいないな」



「ねぇパパ...

今度生まれ変わったら

私と一緒になろうね」


「それはできないよ。

ママとまた一緒になるんだから」