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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081108-00000020-yom-soci

 さいたま市などの依頼でスズメバチを駆除してきた埼玉県内の私立高校教諭(50)が、スズメバチを春日部市の自宅で飼育し、ハチが付近の住宅街を飛び回っていたことがわかった。

 飼育に法的規制はないが、付近の住民は「危険なハチを住宅街で飼育するなんて」と不安を訴えている。教諭は駆除した巣を家に持ち帰っており、さいたま市などは委託の見直しの検討を始めた。

 高校で地理を担当している教諭は、スズメバチ駆除の専門家として知られ、テレビ番組にも出演している。教諭の説明によると、5年前に「社会性蜂類研究会」という名前で駆除業務を始め、個人のほか、さいたま市や越谷市などから依頼を受けて、1回2万円程度で年間約200~300件の駆除を行っている。昨年度は、さいたま市が25回60万円、越谷市が77回113万円を委託費として同研究会に支払った。

 教諭は、持ち帰った巣を自宅敷地内の物干し場につるしたり、置いたりしてスズメバチを飼育していた。巣は約10個あり、1個の巣には50~400匹が生息しており、10月ごろまで付近を飛び回っていた。現在、ハチは巣を離れ、森などに移って冬を越す準備をしているとみられる。

 近所の無職男性(66)は「今夏も自宅でスズメバチに刺された。野放しになっているのはおかしい」と訴え、近くの主婦(61)も「大群で飛んでいることがあり、恐怖を感じる」と話した。

 教諭は読売新聞の取材に「自然保護の観点からも、捕獲したすべてのハチを殺す必要はない」と主張しつつも、住宅街で繁殖する可能性を認め、「巣は処分する」と語った。

 厚生労働省によると、スズメバチに刺されて年間20~30人が死亡する。

 ハチに詳しい中村純・玉川大教授(動物行動学)は「研究目的としても、危険がないように密閉した場所で育てるべきだ」と批判。国立感染症研究所の小林睦生・昆虫医科学部長は「有毒で危険な生物だけに、住宅街では自治体の条例で、飼育を許可制にするなどの方策があってもいい」と話している。