こどもはちゃんとわかっている

 

自分で言うのもおこがましいですが、ちいさい頃わたしはとても良い子でした
親の言うことをきちんと守り周囲に迷惑をかけないよく弁えたこどもだったのです


「そうなろう」

と自分で考えてなったのではなく
ただ素直にすべて受け入れた結果そのように育っていました
当然大人受けは大変良く、とても可愛がられて育ちました
そんなちいさなわたしが困る時、それは

”大人から何かをもらうとき”

でした
親族をはじめ、親の友人など大人がなにかにつけてわたしに何かをくれようとします
勿論こどもだったので何かもらえるというのは単純にとても嬉しいものでした
しかし親からは

「何かをねだったりものやお金をもらってはいけない(知らない人を含め誰からも)」

と言われていたのです

「大人はよかれと思ってなにかをくれる」
「もらえば嬉しい」
「もらってはいけない」

もう少し処世術が身につけばうまく切り抜けられるでしょうが、小学校に上がる前のこどもがうまく対処するにはあまりにも複雑な状況です

「親からもらってはいけないと言われている」

とも言ってはいけないので

「いらないの」

と控えめに言うほかありませんでした
結局素直に喜ぶことも、お礼を言うこともできないまま無理やり渡されて親に報告に行く
そして親がお礼を言い、促されてお礼を伝える
このようなことを繰り返し切り抜けてきたのです
しかしいつものように対応したある時

「欲しいものを言わないなんて、かわいくない子だ」

と言われたのです
わたしはこの言葉の意味を正確に理解していました
そしてとても傷つきました
駅の階段を上っている途中でしたので、うつむいて涙をこらえるのに必死でした

今でもこのときのわたしがかわいそうでしかたありません

「大丈夫、ちゃんとわかっているよ」

と声をかけて抱きしめてあげたいと思うのです

 

 

喪失感が半端ない

 

年末にとても悲しいことがありました
それはわたしが毎日見守り続けたアシナガバチファミリーが駆除されてしまったことです
職場の大掃除の時に巣ごと駆除されてしまったようです


冬は越せないと分かっていて、それでも最後まで見守ろうと決めていただけに
何も無くなってしまった空間を見ると喪失感があります
自然の中で彼女たちがいつまで生きていられるのかとても知りたかったし
毎日見続けたことによる愛着がありました
本当に残念でなりません


わたしの大切なものが他の人にとって大切であるとは限らないという当たり前のことに改めて気づかされました


またハチの季節が来たら血も涙もなく駆除すると思います
でも今はわたしの生活を一時豊かにしてくれた彼女たちに感謝しています

 

神々しいハチ

 

 

わたしは美しいハチの巣がとてもすきです
そして、その美しい巣と同様に美しいと思うのがハチそのものです
巣を駆除し、固めて保存する際に育房に入っている卵、幼虫、羽化前の成虫を取り出すのですが
何よりも好きなのは羽化前の成虫を取り出すときです
育房ピッタリに入っていて、まだ一度も広げたことのない羽根がきゅっと畳まれていて
体も傷一つなくピカピカと輝いている姿はとても神々しいのです
ぷよぷよとした幼虫からなぜあんなにも美しい姿に変身できるのか不思議でなりません
完全変態は神秘的ですね

駆除剤をかけると成虫にはとてもよく効くのですが幼虫には効きが悪く感じます
しかし、幼虫はお世話をしてくれる成虫がいないと生きていけないので、外に放っておけば大丈夫です
目当ての成虫は育房から取り出すとき薬が効いて既に死んでいます
そうすると生まれた順番によって、もう飛び立つ寸前だった個体から体はできているのに触角がまだできていない個体など
さまざまな成長過程を目にすることができるのです
とても興味深いものです
ハチの巣を見かけると思わず見てみたくなる原因はこの自然によって作られた神秘にあるのかもしれません



 

 

 

わたしのアシナガバチ

 


こちらはアシナガバチの巣です
セグロアシナガバチとフタモンアシナガバチの巣を組み合わせてみました
まるで宝石のような美しさですね

育房が大きいのがセグロアシナガバチの巣で小さく細かい育房をもつのがフタモンアシナガバチの巣です
同じアシナガバチなのに種類によって全然体の大きさも巣も違います
とても興味深いですね

アシナガバチは人間の生活圏内に巣を作るので、うかうかしているとすぐに巣を作られてしまいます
わたしも毎日利用している自転車置き場に気づいたら巣を作られていました
駆除するのは心苦しかったのですが、毎日自転車置き場を利用するので彼女たちの行動が活発化したら
自転車の出し入れも刺激になって危険かなと思い駆除に至りました
前の年には同じ自転車置き場にある放置自転車の前カゴの下に巣を作っていました
(それも駆除したのですが)
彼女たちは巣を作る場所を見つけるのがとても上手です
風雨の影響をあまり受けない目立ちにくく奥まった場所を探し出すのですから
働きバチは本当に働き者です

 

 

 

わたしのスズメバチ


こちらは頂いたスズメバチの巣です
たまたま持っていたリンドールのリボン付きの箱にピッタリ♡
わたしと巣に運命を感じてしまいます。

アシナガバチの巣が和紙のようであるのに対して、スズメバチの巣は木粉を固めたような砂壁っぽい質感です
本来はこの巣版を覆うように美しいマーブル模様の壺が被さっています
全体を保管できたら良かったのですが、壺だと大きすぎるので
中の巣版だけ取り出して固めました
スズメバチの巣はとても繊細で力を込めるとほろほろと崩れてしまいます
少し意外ですよね
わたしの感覚では和紙っぽいアシナガバチの巣のほうが見た目に反して強靭です
特に育房のフタは頑丈で中々破れませんし、こじ開けることもできません
(わたしは開けるのにハサミを使ってしまいます)
やはり繊維質だからでしょうか
和紙も丈夫ですものね

そしてハチの駆除剤をかけて駆除するとハチの体はきゅーっと曲がって死んでしまいます
これを伸ばして固めようとするのはとても困難で、きちんと展翅しないときれいに広がりません
死んでいるスズメバチはかわいいですね
体も大きく存在感があるのですが目がとてもつぶらで大きいです
生きているとやはりその気性の荒さが際立ちなかなか

「かわいい♡」

とは思えないものです
本来なら余りじっくりと見ることができないものを手元に置いて心ゆくまで眺めることができるというのは
とても贅沢なものですね