リヨンを離れ、次なる地マルセイユへと向かう朝
。
柔らかな朝の光の隙間をひんやりとした空気が埋め、車内の暖かさに心が緩みます。
前日、確認しておいた駅までの所要は約30分ほど。
ロワール川にかかる橋を越え、背景のフルヴィエールの丘を眺め、リヨンにしばしのお別れです
。
定刻に発車した電車は順調に南に進んでいきます。車内もほぼ貸切状態。
車窓からの風景も素晴らしく、マルセイユに近づくにつれ建物の趣き、
そして流れる空気も変わっていくのがよく分かります。
マルセイユに到着したのが11時頃、列車を降りるとそこはまた初めて見る土地でした
。
マルセイユには一泊の予定。
ホテルに向かう前にプロヴァンス行きの列車のチケット手配です。
発券機で往復の切符を手配し、駅のすぐそばに予約したホテルに荷物を預けることに。
駅舎を出て「おぉぉ」と唸ったのが、その地形。
駅舎は小高い丘(ほどではないか)の上にあり、街の中心に向かってなだらかな下降線を描いています。
対する丘の上に鎮座するのがバジリク・ノートルダム・ド・ラ・ガルド。
マルセイユのシンボルだそうです。聖堂の頂に輝く黄金のマリア像が駅舎の前からも眺めることが出来ます。
荷物から解放され、駅でプロヴァンス行きの列車を待っていると、
警官に加え、軍隊も出動して駅のパトロールをしています。
なんだ?この厳戒態勢は!
ちょうどフランスがイスラム国への空爆参加を表明し、
アルジェリアに渡航していたフランス人が処刑予告(後日殺害されてしまいました…)されていました。
ここマルセイユはもともと寄港地としても栄え、また今でも南フランスの玄関口。
肌の色、顔つき、言葉もさまざまな人々が行き交う独特の空気漂う街。
地中海の対岸にあるアルジェリアなどからの移民問題はフランスが抱える社会問題の一つにもなっています。
イメージとしては頭にあったものが、まさに「現実なのかぁ」と感覚も新たに。
旅からの「学び」です
。
日本人を殆ど見かけない土地に行くと若干の危険は感じながらも、
こういった場所に身をおくことで広い世界が
まさに自分の眼前で織りなされていることを感じる瞬間があります。
来る日も来る日も同じ電車に乗り、
いつまでもいつまでも同じ仕事をして、
幾度も幾度も同じ作業をこなし、
来る季節も行く季節も同じ色の服を着て。
やがて「変化」を受け入れることの出来なくなった人生は、無自覚なまま歪みをきたし、
独善にはしり、孤独に陥る…
孤独の裏返しは焦燥となって表れ、柔軟で自由な生き方をますます困難にする。
旅は自分がいかに小さな存在かを問いかけてくれます。
一歩を踏み出すことで、近くに広がる世界の大きさを教えてくれます。
そして、それを享受するための心の余裕がとても大切であることも
。
“Through travel I first became aware of the outside worldmIt was through travel that I found my own introspective way into becoming a part of it”Eudora.A.Welty
