読書感想(230)「黄金旅風◆飯嶋和一」黄金旅風 飯嶋和一著 小学館文庫 2021.7.2読了 ☆☆☆☆ 江戸時代初期、3代将軍家光の頃の長崎を舞台に、民衆から絶大な支持を得ていた、代官でもある朱印船貿易家の生涯を描いた作品。当時の長崎の街並みや民衆、苛烈を極めるキリシタン弾圧、江戸幕府内部の抗争やそれを窺っての地方大名の思惑など、史実を克明に積み重ねたうえで展開される物語は読み応え充分。著者の歴史小説は、ひとつ仕上げるのに数年はかかるというが、それも納得の作品です。