モルフェウスの領域
海堂尊著
角川文庫
2014.1.17読了
☆☆☆☆
画期的な治療薬が臨床で使用できるようになるまで、患者を人工的に冬眠させてその病気の進行を止めておくという、少しSFっぽい内容の作品です。
流れ的には、“チーム・バチスタ”~“ジェネラル・ルージュ”~“ナイチンゲールの沈黙”と続く、桜宮市を舞台にした一連の作品の近未来版。ついに海堂ワールドの時系列が未来にまで拡大されてしまいました(笑)。
モルフェウスの管理という技術的に高度で重要な仕事を、非常勤職員の涼子に全面的に任せることなんてありえないだとか、そもそも薄給の求人で涼子のように優秀な人材が採用できるわけないとか、矛盾を突くときりがないんだけど、それはそれ。ステルス・シンイチロウと涼子のハイレベルなメールのラリーや、涼子が選択した意表を突く結末など、読み応えは充分です。ちなみにステルス・シンイチロウはマドンナ・ヴェルデ の主人公、曾根崎理恵のダンナさん。相変わらずいろいろな作品の登場人物が入り乱れてます。
To be continued なエンディングなので、続編を読むのが楽しみですね。