和歌山県水産試験場(串本町)は磯焼け対策として、カジメやクロメなどコンブ類の魚による食害を防ぐため、忌諱(きい)効果のある水中音刺激発生装置の水槽実験を始めた。最も効果的で電力消費の少ない発生間隔を探り、9月には現場実験をしたいという。試験場は「これまで海藻を移植して藻場を造ってもほとんど食べられてしまう。この装置によって少しでも食い止められれば藻場も復活できるのでは」と期待している。


 県内では、1960年代から日高町阿尾以南で、魚介類のすみかや餌場、保育場となる藻場が消滅する磯焼け現象が見られるようになった。県は70年ごろから対策に乗り出し、成熟した母藻や人工生産した幼芽を移植したが、アイゴやブダイ、イスズミなどに食べられてしまった。母藻にかごをかぶせて設置すると周りに種が落ちて新芽は出るものの、秋にはすべて食べられてしまう。さらにかごが少しでも壊れるとそこから魚が入って母藻までも食べられる。

 このため、2004年から魚類が嫌がる音の研究に取り組み、06年から県工業技術センター(和歌山市)と共同で水中音刺激発生装置を開発。昨年12月までに5種類の試作機を作り、アイゴの反応と水中での音の発生状況を調べた。この結果、最も魚が反応する装置の音が分かった。

 今後は効果的な音の間隔を調べる実験をする。県工業技術センターでは今回の試作機を基にバッテリー式の現場タイプを製作している。

 県水産試験場の山内信研究員は「効果は期待できるが、単一の方法で守れるとは考えていない。このほかにもいろいろな方法を試していきたい」と話している。