米原市磯の磯漁港で昨年8~9月、アイガモ約30羽が死んでいるのが見つかり、調べたところ、アオコ【クリップ】の毒素ミクロシスチンによる中毒死の可能性が高いことがわかった。ミクロシスチンによる動物の大量死は、国内では珍しい。毒素は浄水処理でほぼ除去されるため、人体への影響はないという。

 昨年8月下旬から約2週間にわたり、同港で地元住民が放し飼いにしていたアイガモが、連日数羽ずつ死んでいるのが見つかった。県から依頼を受けた信州大の朴虎東准教授(環境毒性学)が、1羽の内臓を調べたところ、肝臓から1キロ当たり180マイクロ・グラムのミクロシスチンを検出。ミクロシスチンは肝臓障害を引き起こす物質で、ネズミなどで行った実験データから、アイガモがアオコを飲んだことが原因と推定した。

 県によると、琵琶湖では1983年に南湖で、94年に北湖でアオコを確認して以来、ほぼ毎年発生している。これまでにも微量のミクロシスチンを検出しており、水温の上昇とともにアオコを作る藍藻(らんそう)の成長も進むとされることから、朴准教授は「温暖化の影響で、毒素が強まる危険性もあるため、今後も調査していく必要がある」とする。

 近くの男性(66)は「10年ほど前からアイガモを飼っているが、こんなことは初めて。みんな原因が気になっていたので、(調査結果の判明が)再発防止につながってほしい」と話していた。

 【クリップ】アオコ 富栄養化した湖沼で、繁殖した藍藻が集積して水面が青緑色に染まる現象。藍藻は毒素を作り出す。ブラジルで96年、毒素を含んだ水が原因で透析患者50人が死亡したほか、牛や馬などの家畜にも被害が出ている。国内では、95年に兵庫県西宮市の貯水池でカルガモ十数羽が相次いで死んでおり、アオコとの関連が指摘されている。