江蘇省と浙江省の境にある湖。中国語のローマ字表記は「Tai hu」。

■中国第3の淡水湖、水量調整の巨大ダム

  水利部太湖流域管理局によると、面積は2000平方キロメートル強で、淡水湖として中国第3位。

  湖面は江蘇省と浙江省の境にあるが、雨水などが太湖に流れ込む「太湖流域」は江蘇省、浙江省、上海市、安徽省に広がっている。うち江蘇省は52.6%の1万9399平方キロメートル、浙江省は32.8%の1万2093平方キロメートル。周辺の主要都市は江蘇省に蘇州市、無錫市、宜興市、浙江省に湖州市がある。

  年間を通じて水位の変動は1-1.5メートルと比較的小さいが、湖面面積が大きいため貯水量の変動幅は約44億-83億立方メートルと非常に大きく、周辺水系の水量調整ダムの役割りを果たしている。

  一般に、水位が最低になるのは2-3月で、4月に増水を開始。7月中下旬にピークとなる。農作業の周期とも合致しているため太湖は農業用水源としても効率よく利用されている。水運ルートとしても重要で、上海港に内陸水系を通って運ばれる貨物の約7割が太湖を経由するとされる。

  漁業も盛んで、太湖と周辺水域では全国の淡水漁業の約1割の漁獲量がある。特に1990年代からは太湖東部で淡水カニの養殖業が急速に発展した。

■汚染深刻、常態化するアオコの異常発生

  風光明媚で多くの観光スポットもある太湖だが、最近は水質汚染が問題になっている。また農業や生活排水の流入で富栄養化が進み、アオコの大繁殖が常態化。以前は夏季に見られる現象だったが2007年には5月下旬に発生し、無錫市では太湖から取水している水道水に異臭が生じたとして、ミネラル・ウオーターを買いに市民が殺到した。08年は一部水域で4月14日にアオコが大量発生した。

  太湖と太湖から流れ出す黄浦江の水質汚染は1990年代前半から問題になり、江蘇省、浙江省、上海市は協力して流域企業の水排出の規制、リンを含む洗浄剤の使用禁止などを行っており、水利部太湖流域管理局は「第一段階としては初歩的な成果を得た」との見解を示している。

  写真は07年8月に開催された、伝統的な漁業文化を紹介する観光イベントの「第三届中国(蘇州)太湖開捕節」。